渋みとうまみが心と体に効く!緑茶パワー

お茶の中でも、緑茶は中国茶や紅茶に比べて特別な飲み物といった感じがなく、もっぱら家庭で食事をするときに飲まれていた程度でした。しかし、緑茶に含まれる諸成分の薬効が科学的に明らかにされるとともに、一躍健康食品として脚光を浴びるように。今では容器のデザインもおしゃれな商品が続々登場し、人気を集めています。

 

緑茶が庶民の飲み物になったのは江戸時代以降

お茶の起源は中国。日本へは平安時代の初めに、唐へ留学した僧侶たちによって伝えられたといわれています。しかし当時は、一部上流階級の儀式や行事に用いられただけの特別な飲み物でした。嗜好飲料として愛好されるようになったのは、鎌倉初期、禅僧・栄西が中国・宗から茶種を持ち帰って以降のことです。栄西は著書「喫茶養生記」で、茶の製法、喫茶法、薬効などを紹介し、茶の普及に努めました。室町時代には茶の湯という、日本独自の文化も生まれましたが、茶の湯に使われるのは抹茶、つくるのに手間もかかることから、一般に広まるまでにはいたりませんでした。今のような、茶葉のエキスを浸出させて飲む煎茶スタイルが普及したのは、江戸時代に入ってからのことです。

緑茶は中国茶や紅茶と製法が違う

緑茶も、中国茶も、紅茶も原料はすべて同じツバキ科の茶樹です。しかし緑茶だけがほかの2つとは製法が異なります。中国茶と紅茶は、摘んだ茶葉をしおれさせたあと茶葉の酵素を十分に働かせて発酵させる発酵茶(紅茶は発酵茶、中国茶は発酵を途中でとめる半発酵茶)。一方の日本茶は、茶葉を摘んだらすぐに蒸して酵素の働きを止める不発酵茶です。お茶の製造過程においては、タンニンが酸化することを特に発酵とよんでいて、発酵が進むにつれ、味わいや香り、そしてお茶の色が変化してきます。緑茶がきれいな緑色で栄養成分が残っているのは、酵素の働きが止められて発酵が起きていないからです。

緑茶が体に良いと言われる理由は

埼玉県立ガンセンター研究所が、8000人以上を対象に11年間にわたり追跡調査を行った結果によると、緑茶を日常的に多く飲む人は少ししか飲まない人に比べ、80代半ばまで生きる確率が高いことが判明しました。こうした研究は海外でも活発に行われており、アメリカ有数のガン医療機関では将来の抗ガン剤を視野に入れた臨床試験がスタートし、さらに世界最大の食品総合メッセ「アヌーガ」では、ヘルシーな寿司や緑茶への関心の高さが話題になりました。
緑茶がここまで注目を集めるようになったのは、渋み成分であるカテキンとうまみ成分であるテアニンの、心身へのさまざまな効能がわかったからです。カテキンは赤ワインやココアで話題になったポリフェノールの一種で、強い抗酸化作用があり、高血圧、動脈硬化、ガンの予防、老化防止などに効果があります。一方のテアニンには、心をリラックスさせる癒し効果を持つことが証明されています。そして昨今、お茶の中でも特に緑茶が注目されているのは、これらの成分に加え、中国茶や紅茶にはないビタミンCも含まれているからです。

選ぶ楽しさが増えた緑茶売り場

10年前に比べて緑茶の茶系飲料に占める割合は3倍にも伸び、2000年は、原料や抽出法を厳選したものなど、それぞれに特徴のある新製品が一斉に登場しました。生の茶葉を原料に低温で緑茶を抽出して味や香りを高めたもの、無香料・無調味・一番茶使用を謳ったもの、春先にとれる新芽だけを使ったもの、玉露などを原料に使ったもの、かぶせ茶使用・抹茶仕上げ、静岡産茶葉使用・南アルプスのおいしい水を使用したもの、クリアな後味を売りにしたもの・・・、ひと口に緑茶といっても製品によって味わいも色合いも微妙に異なり、多種多様のおいしさがあります。
「茶は養生の仙薬なり、延命の妙薬なり」と禅僧・栄西が記してから800年の時を経た今、緑茶はプラスアルファ効果を秘めたお茶として、世界から注目を浴びています。

緑茶の主な成分と効能
カテキン
抗酸化作用、ガン抑制、コレステロール・血圧低下、解毒作用、殺菌作用、口臭予防など
テアニン
リラックス効果、イライラ防止など
カフェイン
覚醒効果(疲労感や眠気の除去)、利尿効果、強心効果
ビタミンC
ストレス解消、抗ガン作用、コラーゲンの生成促進、免疫力強化など
フラボノイド
抗ガン作用、消臭効果
フッ素
虫歯予防

 

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