「OT の標準化とテトラパックの標準化されたオートメーションフレームワークこそ、プロジェクトコスト、リードタイム、スタートアップ期間を削減する最善の方法だと確信しています。」

FrieslandCampina の運用技術のグローバルディレクター、Ron Veldhuizen 氏

事例の要約

お客様

Royal FrieslandCampina は、オランダに本社を置く世界有数の乳業メーカーです。

  • 30 か国に支店があり、100 カ国以上に製品を輸出する、大手多国籍酪農協同組合
  • オランダ、ベルギー、ドイツに9,927 か所の酪農場と15,137 件の酪農家を抱える
  • 次のような高品質な乳製品を製造: 牛乳、ヨーグルト、チーズ、乳児用栄養食、デザート
  • また、クリームやバターなど専門市場向け製品、乳児用栄養食メーカー、食品および製薬業界向けの材料や半製品も製造。

課題

OT の標準化を達成するために、様々なレガシーシステムを使用する 40 以上のビジネスユニットの統合を含め、グローバル企業全体に価値を提供すること。

ソリューション

工場の自動化、データの収集とレポート機能を備えた単一の標準化されたソリューションを、ゆっくり時間をかけてさらに多くの現場に展開すること。

結果

  • 日々の意思決定を可能にする信頼性の高いリアルタイムなデータ
  • コンポーネントの再利用の可能性と知識の共有
  • データに基づく働き方を受け入れるスタッフ
  • 世界標準化を目標に推進 - 競争力の強化

お客様の課題

2018 年当時、FrieslandCampina は、主にヨーロッパとアジアに 40 か所以上の生産拠点を持ち、ハードウェアやソフトウェアの自動化が進んだ拠点もあれば、そうでない拠点もありました。

FrieslandCampina の運用技術のグローバルディレクターを務める、Ron Veldhuizen 氏は次のように説明しています。 「私たちは、全社にわたる世界的な OT 標準化のビジョンを打ち出しました。 標準化を進めることで、プロジェクトのコスト削減、未開発地域や再開発地域で展開するプロジェクトのリードタイムの短縮を実現したいと考えたのです。」

ビジョン達成までの道のりの最初のステップは、シーメンスとアヴィバのテクノロジーをベースとした標準的なスタックの選択でした。 しかし、FrieslandCampina は、これではすべての答えが得られないことがわかりました。 標準化のプラスの効果を活用するには、OT データを使用できるようにする標準を含め、標準化された自動化フレームワークも必要になります。  これにより、プラントの最適化、トレーサビリティ、効率が実現できるだけでなく、ベストプラクティスを迅速に展開して、1 つの工場で成功した改善を複数の工場ですぐに実行することも可能になります。

青い地球儀とノードの横に立つテトラパックのオペレーター

ソリューションの選択

FrieslandCampina は、市販され標準化された自動化プラットフォームを探し始めました。 複数のオプションを検討した結果、FreslandCampina はテトラパック® プラントマスターを選択したのです。 FrieslandCampina の決定の主な基準は次のとおりです。

  • テトラパックプラントマスターを使用すると、異なるサプライヤーの機器が混在していても、会社の既存の自動化システムを標準のプラットフォームに統合できる。 既存のコードを再利用できるため、エンジニアリングのコストと起動時間が削減されます。
  • FrieslandCampina が選択したグローバルシステムの各インテグレーターには、テトラパックプラントマスター自動化ソフトウェアライブラリへのアクセスが許可され、テトラパックからはその実装に必要な技術サポート、トレーニング、コンサルティング、および品質保証が提供される。

2020 年には、テトラパックと FrieslandCampina との間で専用のライセンスフレームワーク契約が締結され、両社間の法的な技術供与の詳細が明文化されました。 この契約には、ソフトウェア本体だけでなく、トレーニングやヘルプデスクなどのサービスが含まれています。  オランダのテトラパックでキーアカウントマネージャーを務める Joris Scholten Linde は次のように述べています。「この契約はテトラパックにとって新たな境地を切り開くことになりました。 テトラパックが自社の機器を導入することなく、自動化ソフトウェアのライブラリを販売したのはこれが初めてのケースで、サードパーティのシステムインテグレーターにそのライブラリの使用を許可したのも初めてでした。」

FrieslandCampina の観点からすると、枠組み合意により、それぞれの新しいプロジェクトが有利なスタートを切ることができ、今後もそれを継続できます。「私たちのチームは最初から、誰と連携し、どのシステムインテグレーターを見積もりに参加させるべきかわかっていました。私たちは事前に準備を整えることで、プロジェクト作業におけるプレッシャーを大幅に軽減することができました。」と Ron Veldhuizen 氏は述べています。

青い背景のテトラパックオートメーションのシンボル

実装

契約の締結後、段階的な導入が開始されました。現在、FrieslandCampina の 5 つの工場がテトラパックプラントマスターで稼働しています。

2021 年の夏、オランダのチーズ工場で最初のフル装備が完了しました。 システムの自動化にはテトラパックのソフトウェアが使用されます。そのため、テトラパックは現地のシステムインテグレーターにトレーニングとキットを提供しました。 2022 年 1 月には、新しい膜処理ユニットにもテトラパックのソフトウェアがインストールされました。

「まもなく、アジアでテトラパックプラントマスターをベースにした 2 つの戦略的な未開発地域の工場の試運転が開始される予定です。」と Ron Velduizen 氏は説明し、次のように続けました。 「どちらの工場も、テトラパックが関わることで標準化の観点から見て、完全に計画通りに実行され、システムの最新のトレーサビリティとレシピ処理機能が活用できるようになります。 私たちは、今後、他のプロジェクトへの大幅なスピンオフを予測しています。」

掌で成長するキューブ

人的要因

テトラパックは、システムインテグレーターに自動化ソリューションとサポートを提供することに加えて、FrieslandCampina の変更管理プロセスもサポートしています。 「テクノロジーのデモンストレーション、オーダーメイドのトレーニング、参考訪問を通じて、より多くの人々が新しい働き方を受け入れることができるようにします。」と説明するのは、Joris Scholten Linde です。

 

Ron Veldhuizen 氏も「新しい世界基準を適用しようと思えば、ある程度の抵抗があるのは当前です。」と述べています。 「今回の場合も、現地チームはわずかな人数のシステムインテグレーターと実装を実行しなければなりませんでした。その結果、彼らはテトラパックプラントマスターに慣れる必要がありました。 変革を受け入れることは簡単ではありませんが、テトラパックは地元で OT プロジェクトを主導するスタッフに必要な情報を提供してくれました。これはスタッフをどれだけ安心させたことでしょう。」

画面を見ている男性たち、その周りを囲む青いピクセル

結果

テトラパックのソリューションが導入された、FrieslandCampina の工場管理者はすでに、日々の意思決定の基礎となる信頼性の高いリアルタイムデータを取得できるメリットを実感しています。

Ron Veldhuizen 氏は次のように述べています。「私たちの新しい働き方が会社の収益にどのように反映されるか分かるのはまだ時期尚早ですが、テトラパックプラントマスターがもっと広範囲に導入された暁には、コンポーネントの再利用と知識の共有がより価値あるものになると確信しています。 最終的に、FrieslandCampina の目標はさらなる世界標準化です。それが今後数年間で、私たちが競争の勝者となるための基盤になることを信じて疑いません。」

周りを青いピクセルで囲まれた複数の男性と女性

メリットの概要

  • テトラパックプラントマスターにより、FrieslandCampina の既存の自動化システムが標準のフレームワークに統合され、プラントの最適化、トレーサビリティー、効率化の可能性が広がる
  • グローバルシステムのインテグレーターに、テトラパックプラントマスター自動化ソフトウェアライブラリーへのアクセスが許可されている

  • 技術サポート、トレーニング、コンサルティング、および品質保証が、円滑な実装を可能にする
  • 未開発地域と再開発地域で展開するプロジェクトのプレッシャーの低減やコスト削減、リードタイムやスタートアップ時期の短縮
  • ベストプラクティスを迅速に全社に広めることができます。