大粒の具材入りアイスクリームで購買意欲を刺激 – 製造における 3 つの課題

おいしい大粒の具材の入った贅沢なアイスクリームは世界中で大ヒットしています。そして消費者は今、既存のカップアイスや業務用パッケージだけでなく、スティック、バー、サンドイッチタイプなどで、プレミアムアイスクリームに好みの大きな具材が入ったものを求めています。 アイスクリームメーカーは、このチャンスを活かそうとしていますが、品質に関する消費者の要望に応えつつ高いコスト効率でこれらの製品を製造するうえで、クリアしなければならない課題に直面しています。

押出し成形プロセス装置

製品の品質を確保するうえでの課題

大粒の具材を練りこんだアイスクリームを押出し成形で製造する場合、常に課題となるのは、大粒の具材を均一に練り込むこと、製品の表面が具材で凸凹しないこと、さらにスティックを具材に邪魔されずに正しく製品の真ん中の位置にすることです。 垂直型の押出し成形とワイヤーカッティングを利用した従来の技術は、大粒の具材入りのアイスクリームに適していません。 まず、ワイヤーが大粒の具材にぶつかった場合、ワイヤーはそれを切断できません。 それどころか、具材がワイヤーの前方に押し出され、製品の表面が凸凹になってしまいます。 さらに、スティック付き製品の場合、既存のスティック挿入方式には、位置がずれたり製品表面が変形したり、場合によってはスティックが割れるリスクがあります。 

トレイの上に製品を正確に配置するうえでの課題

アイスクリーム製品をトレイの上に正確に配置することは、製品ロスを防ぐうえで重要です。 しかし従来の製法では、前述したようなワイヤーが大粒の具材とぶつかる衝撃が、切断後のアイスクリームスライスに影響します。 そのため、押出し成形ラインのトレイに配置されるアイスクリームスライスの位置が大きくずれます。 位置が揃っていないため、トレイから製品を持ち上げられず、製品ロスが増えることになります。 このようなロスは、効率的な製造では許容できません。 

コストを低減し煩雑さを解消するうえでの課題

大粒の具材を練り込んだスティック付き製品を製造する場合、従来の製法では -60℃に達する液体窒素冷却モジュールを使用します。 しかし、窒素冷却による製法では製造コストが大幅に上昇します。また液体窒素を取り扱うために装置の起動時や稼働中の作業が煩雑になります。

課題の克服を目的とした新たな開発

購買意欲を刺激する大粒の具材入りのアイスクリームの製造を目的とした最近の技術開発では、こうした課題の解決に取り組んでいます。 高速カッティングナイフ、シザーカッティング、ダブルワイヤーカッティングを使用して、製品の品質および配置に関する問題を解決する試みがいくつかありましたが、なめらかな表面を持った大粒の具材入り製品を製造してトレイに正しく配置することはできませんでした。 しかし、革新的なホイール設計を採用した特許取得済みのまったく新しいソリューションでは、アイスクリームはピストンでモールドから押し出されて空洞部分に充填され、固定された加熱ブレードを過ぎてトレイに近づくとブレードにより切り離されるという、同期のとれた一連の動作が正確に連続して行われます。 これは、切断による品質問題を排除し、正確な配置を保証するだけではありません。窒素などの外部冷却システムが不要になるため、作業環境とオペレーターの安全性が向上します。