デジタルツールとしての容器の新たな役割

デジタルテクノロジーは、食品・飲料業界を急速に変革させています。 容器は今や、消費者にとっての利便性や製品保護などの基本原則の枠組みを超えて、接続性の問題にまで発展しています。

テトラパック® Connected Package プラットフォームとコード印刷機能を活用すると、メーカーは自社の紙容器を本格的なデータキャリアに変えることができます。 メーカーは、トレーサビリティーの向上、より多くの製品情報の収集、そして当然のことですが、消費者との接点を持つための賢くて新しい方法を得ることができます。

容器包装の未来は間違いなくデジタルで、テトラパックはブランドオーナーが Industry 4.0 に対応できるように支援するデジタルソリューションの構築に迅速に取り組んでいます。

紙容器の QR コードのスキャン

未来を探る

歴史上初めて行われた容器のコード化は、スキャン可能なタイプのバーコードを使用して実施されましたが、それでもネットへの接続は限定されていました。 その後開発された Connected Package では、紙容器 1 つ 1 つに一意のスキャン可能なコードが印刷されました。

これらの一意のコードにより原料からリサイクルに至るまで、あらゆる製品の現在地と履歴を追跡できます。 今では、消費者は紙容器に印刷されたメッセージを読むのではなく、自分のスマートフォンを使用してコードをスキャンしネット接続の世界に足を踏み入れることができます。

将来的には、インテリジェントな容器も登場し、容器がネット接続バリューチェーンの中心になるでしょう。 その未来像は、どのようなものでしょうか?

夕食に何を作るかを決める場面を想像してください。 ある日を境に、インテリジェントな容器が冷蔵庫といった家庭内のスマート家電と通信するようになります。 また、冷蔵庫の中身やその分量、消費期限に関する正確な情報を即座に入手できるようになります。 そして、過去の行動、食べ物の好み、好きなレシピに基づき料理が提案されるようになります。 特定の食材が不足している場合、買い足すように自動的に促されます。 これらはすべて時間を無駄にせず、便利で、食品の廃棄も最小限になります。 このネット接続型ソリューションは、実際の調理を除けば、ありとあらゆることを処理してくれます。

モノのインターネット(IoT)が進展する速度と容器包装技術の進歩を考慮すると、この見通しは想像以上に早く現実のものになるかもしれません。

今日の Connected Package

今日のデジタル技術で実現できることが、「Connected Package」です。 デジタル化が実現するネット接続を利用するメーカーがますます増えているため、既にそのチャンスは広がり始めています。 各紙容器には一意のスキャン可能なコードがあり、製品は即座に対話型のメディアチャネルへと変化します。 Connected Package ソリューションは、次の 2 つのカテゴリに分類されます。 「Consumer Engagement. and Track & Trace」。

Consumer Engagement ソリューション

この例では、Connected Package が消費者がデジタルで楽しめる新たな体験への入り口になります。 消費者は、コードをスキャンするだけで、ブランドの真正性を試したり卓越したマーケティングキャンペーンの恩恵にあずかったりすることができます。 具体的には、販促物、ロイヤルティキャンペーン、産地情報などのスキャン、獲得プロモーションなどです。

Consumer Engagement を使用すると、ブランドのオーナーは、自社の提供内容を差別化しロイヤルティを高めて売上を伸ばす方法で、直接消費対象のグループと対話できます。 その一方で、消費者データをリアルタイムで収集し分析することができます。

追跡

一意のコードにより、トータルシステムのトレーサビリティーも可能になるでしょう。 テトラパック® Connected Package プラットフォームを使用すると、バリューチェーン全体で製品を追跡できるようになり、製造、品質コントロール、サプライチェーンの透明性を向上させます。

メーカーはあらゆる製品の履歴や現在地を追跡できるようになり、市場の動向や局所的で潜在的な問題を監視できるようになります。 同様に、小売業者は、より詳しいサプライチェーンの見通しとリアルタイムなインサイトを得ることができるようになり、流通業者が在庫を追跡し、配送パフォーマンスを監視し、問題の発生を知らせる警告を受け取ることができるようにします。

ハードウェアとソフトウェアの両面

テトラパックの「Consumer Engagementand and Track & Trace」ソリューションは、テトラパック® Connected Package プラットフォーム全体によって支えられています。このプラットフォームは、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせで、これにより、メーカーは、開始時に必要なものを判断し市場に迅速に到達できるようになります。

このプラットフォームは、一意コードの生成と印刷、開発者ポータルと API ライブラリーへのアクセス、キャンペーン管理用ツール、および結果のリアルタイム監視用のダッシュボードをまとめて提供します。

テトラパック® Connected Package プラットフォームは、食品・飲料業界向けに特別に設計され、世界中で利用可能なうえ、完全な拡張性もあります。

テトラパックが立ち上げ Microsoft’s Azure が支援する Connected Package プラットフォームはコード生成、デジタル印刷、データ管理を中心に構成され、食品メーカーや小売業者のみならず、消費者にもメリットがあります。

顧客事例: デジタル スキャン & ウィン キャンペーン

南ヨーロッパの乳業メーカーが開発した牛乳製品は、年間最優秀製品に選ばれました。 当然、メーカーは消費者に一番に選ばれる選択肢であり続けたいと考えていましが、市場全体は縮小していました。 メーカーは、これまで通常行ってきたことを続けるだけでは不十分でした。 もっと革新的で楽しく、相互対話型の方法で消費者とつながる必要があったのです。

テトラパックは、紙容器をコード化するための装置から消費者向けモバイルアプリケーションやキャンペーン管理ツールまで、キャンペーンの実施に必要なすべてをお客様に提供しました。 消費者はアプリをダウンロードし、紙容器に印刷されたコードをアプリからスキャンすることで、ポイントを集めて景品を獲得することができます。

テトラパックのデジタルダッシュボードを使用したお客様は、キャンペーンの結果をリアルタイムで監視できました。その結果、お客様は、アプリを少し変更して、プロモーションを最大限に成功させることができました。

ダッシュボードから合計 1 万 7 千人のユーザーが確認されました。この数は、乳製品メーカーが従来のキャンペーンで到達すると予想していた消費者数の 3 倍です。 全体として、ユーザーが紙容器を 32 万 5 千回スキャンし、製品の売上は 16% 増加しました。 加えて、クレームの件数が減少しました。これはリアルタイム監視によるプラスの効果です。