適切な熱交換器の選び方
熱交換器の選択は、製品とプロセスの性質によって異なります。たとえば、取り扱っている製品の粘性、製品に含まれるのは粒子なのか繊維質なのか、でんぷんを含んでいるのか、塩分を含んでいるのかという要素を検討する必要があります。
このような要因はいずれも製品の複雑性に影響し、製品の品質と製造プロセスを最適化する熱交換器が決まります。
熱交換器には、プレート式、チューブ式、掻き取り式という主要な3つのタイプがあります。使用と製品の適合性はそれぞれ異なります。
「製品に最適な熱交換器を決める要素は多数あります」と、テトラパックの熱伝熱アプリケーションスペシャリストのInge Kristessonは言います。
「たとえば、予想を下回る製品の品質に困っているヨーグルトメーカーを例に取ると、最初の質問は 使っている熱交換器はヨーグルト用に設計されたものかどうかです。答えがノーの場合、それが品質問題の原因と思われます」
もう1つの重要な要因は、製造する製品の量と熱交換器モジュールの稼働時間です。たとえば、1日に100リットルを製造するのか、1時間に1万リットル製造するのかによって 特定のニーズを満たす熱交換器のサイズと種類に影響します。
バッチサイズの重要性
小さいバッチを多数実行するメーカーは、エネルギー消費量よりも製品損失を重視した小型の熱交換器を使用していることが多いかもしれません。大規模製造になると、これとはまったく逆の状況で、長時間稼働と低エネルギー消費量が重視されます。
一言アドバイスするならば、製品に最適な熱交換器を利器していると思わないことです。別の熱交換器のほうがより適している可能性もあります。
「粘性の液体はチューブで処理する必要があるというのが一般的な認識というだけで、粘性の高い液体を処理しているお客様がチューブ式熱交換器を希望されることがあります。場合によっては、それは最善策ではないとお伝えし、代わりにプレート式熱交換器の購入を提案することや、プレート式とチューブ式の組み合わせを提案することがあります」と、Kristenssonは言います。
その理由は、チューブ式と比較すると、プレート式熱交換器は熱伝導効率が高いため、熱を簡単に伝達できるからです。粘性の高い液体を処理する場合は特に顕著です。
もう1つの重要な側面がコストです。熱交換器は多くのエネルギーが必要になる場合があり、熱交換器の耐用期間全体の電気料は投資コストよりもかなり高くなるのが一般的です。そのため、製品ニーズを満たすと同時にエネルギー効率の良い熱交換器を見つけるのは理に叶っています。
先行投資コストではなく、熱交換器の耐用期間にわたる総所有コストを重視すれば多額の費用を抑えることが可能です。一般的には、総所有コストを削減するのであれば、ハードウェアへの投資を少し増やしても損はありません。現在の会計年度の先を見越し、熱交換器の3～4年分の総稼働コストを測定するのが賢明です。
最も安価なモデルではなく、エネルギー効率の良い熱交換器に投資すれば、かなり早い時点での投資回収が可能です。多くの場合、1年以内の回収が可能です。
「今日の多くのメーカーのように、処理容量が多く、稼働時間が長いのであれば、初期投資コストを増やして、総所有コストを削減する方が値段に見合う購入です」と、Kristenssonは説明します。
熱交換器の詳細については、テトラパックまでお問い合わせください。
