2020年10月9日
スイス、ローザンヌ

テトラパックの研究により、人は、環境と健康に関して、同じ傾向の考え方を持つようになっていることが明らかになりました。この傾向に最も早く気付いたのが食品および飲料業界です。

テトラパックは本日、2つの最も差し迫った消費者の要求、つまりは環境と健康に関するIpsos社1とのパートナーシップによる世界的な調査研究の結果を発表いたします。歴史的にこの2つの問題は別々の分野として見られ、伝えられてきました。しかし、これらは融合に向かっており、食品および飲料(F&B)ブランドが今後12か月間、いかに製品を市場で販売するかにおいて極めて重要なチャンスを作り出しています。

現在、消費者の3人に2人が環境問題における転換点に達していると考えており、消費者の圧倒的多数は、自らが、周囲の世界と自分の健康に直接責任を負っていると考えています。日常生活の中で環境問題が顕在化する中、彼らの健康への影響に対する懸念も高まっています。現在、消費者の60%近くが、自分の健康と幸福が環境問題の影響を強く受けていると考えています。

個人のレベルで環境と個々人を結びつけることができる数少ない業界の1つとして、F&Bブランドは、健康についても語ることで、これらのトピックについての消費者とのコミュニケーションを通じて変化を推進する機会を得ることができ、この増大する差し迫った喫緊のニーズに応えることができます。

消費者の懸念と優先事項

消費者の環境への関心が高まるほど、彼らの健康に対する意識も高まります。現在、精神の健康は身体の健康と同等のものと見なされています。消費者の67%は、それが社会にとって大きな懸念事項であることに同意しており、ストレスは個人的な観点から最も懸念されるものであると考えられています。

このジャーニーをナビゲートするブランドをサポートするため、テトラパックインデックス 2019は、6つの新しい消費者セグメントと、彼らの健康と環境に対する行動について明らかにしています。各グループは、これらのトピックに共通する考え方を理解することで、ターゲットを絞った製品やF&Bブランドのメッセージングに対する明確なチャンスの対象となります。

アクティブアンバサダー: 健康と環境のあらゆる側面に非常に高い関心を持ち、積極的に行動し、限界に挑戦し、他者に影響をおよぼします。 

  • 環境に関するアドバイスを得ようと、科学者や学者やNGOなどが発する事実に基づく情報源に目を向けます。

プラネットフレンド: 健康についての多くの側面に高い関心を持ち、環境について積極的に行動を起こす意思を持ちますが、限界に挑戦する傾向はあまり見られません。

  • 環境に高い興味を持ち、積極的に行動を起こす意思を持ちます。健康についての多くの側面、特に心の健康に非常に興味を持っています。

ヘルスコンシャス: 環境のことを気にかけており、関心を持ってはいますが、環境よりも健康を優先しています。健康的な製品のために、より多くのお金を払い、利便性を犠牲にすることを厭いません。 

  • ソーシャルメディアやその他のオンラインソースに大きな信頼を置いています。

フォロワー: 健康と環境の問題に十分に関心を持っており、両方について何かをしなければと感じてはいますが、行動を変えたり、新しいことに挑戦したりすることはありません。

  • 一番数の多い主流のグループであり、興味深い可能性を秘めた彼らは、より多くのことを知りたいと思っており、行動するための動機と活力を得たいと思っています。テレビやラジオを平均以上に視聴しています。

ラガーズ(出遅れる人): 健康と環境のあらゆる側面に対して知識や関心を持ちません。テクノロジーや変化することに懐疑的です。

  • 特に友人や家族など、彼ら自身の個人的な現実世界のネットワークに目を向けています。

スケプティクス(懐疑論者): 環境問題を認識しているものの、「フェイク ニュース」として否定する傾向があります。食物や健康に関して「伝統的な」考えを持っています。

  • 「スケプティクス」に属する5人に1人は、どのメディアチャネルからも環境に関する情報を得ないと答えています。

市場によっての相違

一般に、個人の健康と地球の健康を共通問題としてとらえる考え方は世界的に増加していますが、成熟度のレベルは国によって異なります。

ブラジルでは、消費者は、健康、美容、そしてサステナブルなメリットを備えた、エコブランド製品やナチュラル製品に関心を持っています。ブラジルの自然は広大で生物多様性に富んでいるため、環境はこの国の文化において重要な位置を占めています。
英国では、食品、健康、環境に関心を抱いているのは特に若い消費者であり、多くの人がフレキシタリアン、ベジタリアン、ビーガンなど、多様な食生活を探求しようとしています。したがって、英国には多くの「プラネットフレンド」がいます(+14%)。
中国では、健康と環境に対する消費者の最大の懸念として大気汚染が挙げられています(50%および70%)。そのため、ここでは「ヘルスコンシャス」に属する消費者が高くなっています(+14%)。

増大する個人の責任

環境問題は世界で最も重大な懸念事項であり、その緊急性は高まっています。そのため、消費者はパッケージに関してより多くの情報に基づいた選択をするようになっており、製品表示で環境に関する情報を探します。そして価格が高くても環境に配慮した製品を購入しています。ここで健康と飲料が重要なきっかけとなります。健康と環境の理由から、彼らが最も望む変化は、環境に配慮した食品や飲料製品の消費を増やすことです。現在、消費者の圧倒的多数は、環境と自分の健康に最も責任があるのは、両者に多少の差はあるものの(それぞれ71%と74%)、自分自身であると考えており、政府と政治家がそれに続き、ブランドや小売業者と答えた人の割合ははるかに少数に留まっています。パッケージとリサイクル性は特に重要です。
 
テトラパックのビジネスインサイトおよびアナリティクスディレクターを務めるGisele Gurgelは、次のように述べています。「食品と飲料は、環境と健康に関する考えの共通点に最も早く気付いた業界です。その傾向によって、ブランドには、消費者へのアプローチとコミュニケーションを同時に行うことで、強力で意義深い個人的な消費者とのつながりを作れる新しいチャンスが生まれています。
「多くの消費者は、特にソーシャルネットワークを通じて、パッケージに関するトピックなど、環境について読み、学ぶことを望んでいます(39%)。特に、注目したいのが自然/オーガニック製品です。無添加、シーズン限定もこの点で高く評価されています。カテゴリーで言うならば、100%果汁、牛乳、パッケージ入りのミネラルウォーター、ココナッツウォーター、植物性飲料が最も人気を集めています」

Ipsosのクライアントディレクター、Lena Gilchrist氏はこう語っています。「この研究プロジェクトは、健康と環境という2つの分野の組み合わせた点、人がこの2つの分野に共通して持つ考え方に基づいて消費者をセグメント化したという点においてユニークでした。6つのセグメントにはさまざまな促進要因と障壁があり、彼らが信頼する情報源は多様です。つまり、さまざまな消費者グループとコミュニケーションをとるには、綿密に考えられたアプローチが必要です。科学者からの事実に基づいた情報を検索する人もいれば、友人やソーシャルメディアからの情報に頼る人もいます」

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1. Ipsosとのパートナーシップで実施された本年の世界的調査研究では、健康と環境に関する考え方の共通点を調査し、調査で明らかになった消費者の好み、態度、行動に基づいてセグメンテーションモデルを作成しました。

詳細情報に関するメディア向けお問い合わせ先

Jane Jarosz, Tetra Pak, Tel: +39 059 89 8954

Camilla Medd, Edelman for Tetra Pak​, Tel: +44(0) 202 047 4023​

テトラパックインデックス 2019

健康と環境に関する考え方の共通点

関連資料のダウンロード

Front cover, Tetra Pak Index 2019

テトラパックインデックス 2019 表紙

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Jaden Smith, JUST Water

JUST Water、Jaden Smith氏

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Tetra Rex® carton packages, Valio

テトラ・レックス®紙容器、Valio社

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Gisele Gurgel, Director Business Insights and Analytics Tetra Pak

テトラパック、ビジネスインサイトおよびアナリティクスディレクターGisele Gurgel

(画像、1,815KB)