テトラパックの紙容器の LCA(ライフサイクルアセスメント)

テトラパックではバリューチェーンにおける環境への影響を理解することの意義を早くから高く評価していました。テトラパックには、その製品に関する LCA がありますが、それは 80 年代中頃に始まっています。製品のライフサイクルに沿って環境への影響を理解することで、テトラパックの製品システムの環境的側面を改善する機会を特定できるとともに、環境に配慮した製品とプロセスの設計も支援できます。

LCA(ライフサイクルアセスメント)の例

 

食品および飲料の紙容器充填システムが及ぼす環境への影響を調査するため、いくつかのLCA(ライフサイクルアセスメント)が実施されました。 この公表されている例では、独立した学術研究機関が、国際的に認められた標準手法(国際規格 ISO 14040 シリーズ)を使用して LCA(ライフサイクルアセスメント)を実施しました。 すべての報告書は査読されています。

 

容器あたりのカーボンフットプリントの計算

製品のカーボンフットプリントとは、製品のライフサイクル全体で排出された温室効果ガスの総量です。 ライフサイクル全体には、使用された原材料の調達のほか、製造、物流、消費、輸送、および製品の最終処分といったすべての過程が含まれます。

テトラパックの製造する紙容器には様々な種類があり、世界中の様々な場所で充填され流通しています。 使用済み紙容器の処理方法も、地域のリサイクル条件によってそれぞれ異なり、さらに最終消費者による判断にも左右されます。 こうした様々な組み合わせの厳密なフットプリントを個別に計算することは、非常に時間のかかる作業です。

テトラパックの様々な紙容器の製品の開発から出荷までが、紙容器の CO2 計算ツールを使用して算出できます。

紙容器 CO2 計算ツールが算出した結果は、ヨーロッパの条件下で、包材がテトラパックの工場を出る時点までのカーボンフットプリントを示します。 原材料の調達および工場への輸送、ならびに原材料の包材への加工に関連する環境への影響は、テトラパックがその方針や行動を介して直接管理している領域です。 さらに、これらの計測情報を提供することで、お客様は容器を選択する際に環境に関する情報に基づいて選択できるようになります。

紙容器の CO2 計算ツール

 

テトラパックオンラインの紙容器の CO2 計算ツールは、PAS 2050:2011、ISO 14044:2006、および ISO 14067:2018 に準拠した カーボンフットプリントを算出できるとして Carbon Trust から認証を受けています。

 

飲料用アセプティック紙容器の分かりやすいカーボンフットプリント

飲料用アセプティック紙容器のライフサイクル全体で気候に与える影響を説明するために、ここでは一般的な 1 リットルのキャップ(HeliCap23)付きテトラ・ブリックアセプティック容器のライフサイクルのカーボンフットプリントを取り上げます。

結果は、原材料の生産、輸送、加工、フィラーへの包材の輸送、充填、配送、処分を含む、紙容器の開発から出荷までのライフサイクルにおけるカーボンフットプリントを示しています。

算出は、業界の平均的なデータとヨーロッパの諸条件に基づいています。 液体容器用原紙の生産については Alliance for Beverage Cartons and the Environment から発表されている平均的なデータを使用し、プラスチックについては PlasticsEurope から発表されているデータ、アルミ箔については European Aluminium Associationから発表されているデータを使用しています。 加工作業については、テトラパックの GHG 報告から得られた世界平均データから 2016 年におけるパフォーマンスを示しています。原材料の加工工場への輸送による影響は加工結果に含まれ、欧州の平均的なデータに基づいています。 包材のフィラーへの輸送については、ACE から発表された平均的な手段と距離を適用しています。 紙容器の成形および充填は、典型的なパフォーマンスデータと電力に関する全国平均データに基づいています。 寿命の設定は、2016 年からの統計を基にした欧州の平均的な廃棄物管理条に基づいています。加えて、リサイクル率は 47%、エネルギー回収率は 29% に設定しています。 残りの部分については埋め立てをモデル化しています。 「切り捨て」法は、処分をモデル化する際に使用しました。 紙容器をリサイクルまたは焼却してエネルギーを回収した結果には、環境負荷もクレジットも含まれていません。

「材料への生物起源炭素の吸収量」とは、結果の中で個別に提示されるように、テトラパックの加工工場から出荷される時点での紙容器内に含まれている炭素の推定量を指します。 成長する植物は、大気から炭素を吸収し蓄えます。 木質繊維が紙に加工されると、その炭素は紙容器内に引き続き残ります。 「生物起源炭素の放出量」には、リサイクルまたはエネルギー回収されていない場合に、処分時に放出される炭素量を含みます(この場合、前述した切り捨て法が適用されます)。 化石と生物の両方の CO2 を含む最終結果を得るには、カーボンフットプリントの影響、生物起源炭素の吸収量、および生物起源炭素の放出量を合計する必要があります。

算出結果は指標であり簡素化されているため、正確な数値ではありません。 紙容器の正確な CO2e フットプリントを得るには、その包材がどの加工工場で製造され、原材料がテトラパックに搬入される際、列車で輸送されたのかトラックで輸送されたのかなど、具体的な材料組成を知る必要があります。 テトラパックでは、結果を算出する基本事項として最も一般的な材料の仕様を使用しています。

紙容器の仕様と重量は、地域および製品の保護要件によって異なります。 CO2e フットプリントのデータは、方法論とデータが見直されるのに合わせて必然的に変化します。

この計測結果は、公にされる比較を利用した主張の裏付けに使用することはできません。 そのように使用することは、いずれの場合も関連する ISO 標準の諸要件に反します。

結果は、テトラパックの内部ツール(CO2e Product Model、バージョン 5、2018)で出しています。 この製品のカーボンフットプリントは、Carbon Trust により認証されています。

カーボンフットプリントのグラフ