何かを食べたり飲んだりする時、意識していてもいなくても、まず初めに気づくのは口当たりです1。では、成長中の栄養補助食品と栄養食品カテゴリーにおいて、最適な口当たりとは何でしょうか。最適な口当たりを実現し、消費者がその効果を実感するためにはどうすればよいでしょうか。

このカテゴリーにおいて、タンパク質は多くの製品のベースとなっています。粉末、パッケージ飲料(RTD)などその形状は様々です2。こういった機能性食品はますます主流になってきており、製品がもたらす効果だけでなく、口にした時の体験も考慮する必要があります。そこで「口当たりの科学」が生まれたのです。

なぜ口当たりはこんなに重要なのでしょうか。

飲料を摂取する時、香り、見た目、そしてもちろん味と同様に、口当たりは顧客体験の重要な部分を占めています3。口当たりとは、飲料が口に触れ、舌の感覚受容器へと移動し、飲み込んだ時の感覚のことを言います。楽しむことのできる口当たりは、製品を楽しめるかどうかの重要な指標です。そのため、成分やフレーバーの組み合わせと同様に配慮する必要があります。3

 

多くの研究がなされていますが、良い口当たりを作る要因が何なのか、決定的な答えは見つかっていません4。同じ口当たりでも、それが好きな人もひどく嫌う人もいます。もったりした粘度の高いミルクセーキが好きな人もいれば、さらっとした水っぽいミルクセーキが好きな人もいます。ごつごつしたマッシュポテトが好きな人もいれば、滑らかでクリーミーなマッシュポテトが好きな人もいます。

高齢アジア人女性

消費者の期待に応えましょう

つまり、誰もが好む感覚を作り出すのはほぼ不可能ということです。ですが、多くの消費者が好む感覚を作ることは可能です。ここでは期待感も重要な役割を担っています。これは、見た目や包装、伝わってくるメッセージから生まれるものです。実際の口当たりが期待していたものとは異なる場合、当惑してしまうのです。一方で、期待していた内容と現実が一致していた場合、その製品は顧客体験を向上させます。

 

粉末製品では、液体ベース、混合方法、濃度を選択するのは消費者であるため、口当たりは変わりやすく、コントロールが難しくなります5。しかし、パッケージ飲料(RTD)では、ターゲット層に受け入れられるかどうかの決め手が口当たりです。

プロテイン飲料を持つ女性

機能性にあった感覚を

飲料の目的や性質に口当たりを一致させることは不可欠です。そして栄養補助食品と栄養食品カテゴリーでは、タンパク質が豊富な製品に特有の特性があるため配慮が必要です。テトラパックの MO マーケティング担当で PDC 推進を担う Ravi Maturi は次のように説明しています。

「高タンパク質の RTD 飲料は、通常の飲料と比べて重たく粘り気が強い傾向があります。これは高密度なタンパク質が要因です6。また、タンパク質がきちんと溶解または安定化されていない場合、ざらざらした粉っぽい食感になってしまいます。高タンパク質飲料は舌に渋味や強烈な乾きを残すことがありますが、pH の調節や特定のタンパク質の調合により、これを抑えることができます。場合によっては口の中にコーティングのような感覚を残すこともあります。これは調合の具合によって快適なものにも不快なものにもなり得ます。

作っている飲料に合わせて適切な対処が必要です。安定剤や重合調整剤は、消費者が求めている口当たりを実現するのに役立ちます。これは、味や体験が最優先されるライフスタイル栄養食品では特に重要な点です。これを正確に実現するためには、使用する特定のタンパク質が持つ特性、複雑性、課題を理解する必要があります。

 

「濃厚、滑らか、そしてクリーミーな食感はアジアで人気です。一方ヨーロッパの消費者は自然で加工度の少ない食感を好みます」

 

トラパック、PDC 推進、MO マーケティング担当、Ravi Maturi

Ravi Maturi のポートレート写真

使用するプロテインを選ぶ

多くの機能性 RTD 飲料は常に人気のホエーを始め、乳タンパク質由来のものが多く存在しますが、植物性飲料の摂取量を増やしたいと思っている人が増えています。これは、植物由来タンパク質への需要が高まっていることを意味します7

 

タンパク質の代替品を探す際は、タンパク質濃度、機能性、安定性、自然由来の味、栄養素密度など、検討すべき点がいくかあります。FSN 飲料には、他の成分と結合せず、純度が高く溶けやすいタンパク質と、安定性や耐久性が高く自然な味のタンパク質の組み合わせが理想的です。

成分と飲料のスプラッシュ

絶妙なバランス

「タンパク質飲料は、商品棚に陳列している間にタンパク質がフレーバーを吸収してしまうため、フレーバーの使用量が多くなりがちです」と Maturi は説明します。「植物由来のタンパク質は乳タンパク質よりもこの影響が大きく、不快な風味を隠すために多くのフレーバーを使用する必要があります。植物由来、高タンパク質の FSN 飲料では、脂質の選定も大切です。ヒマワリ油や菜種油は、風味にクセがなく、高温での加熱処理の際にも安定感があります」

ナッツ、ブルーベリー、飲料スプラッシュ

クリアプロテイン製品の人気も高まっていますが、期待されることはまったく異なります。名前が示すように、これはプロテインを含む飲料です。しかし、ミルクセーキというよりも、むしろ爽やかなウォーターベースのソフトドリンクのような見た目です。こういった飲料は、効果を感じながらもリフレッシュしたいと考える消費者を引き寄せています。ここでは、見た目に一致する軽い口当たりが求められます。

透明飲料には、ホエイプロテイン成分、特に分離物が適していますが、これは低 pH 環境での溶解性と熱安定性に優れているためです8

フィーリング以上

口当たりは純粋な科学ではなく、特定の消費者層が魅力的に感じる感覚が予想できないものです。ですが、正しい専門知識とアプローチをとれば、FSN 製品に適した感覚を見つけることができます。

 

「他に検討すべきことは、口当たりの好みには地域性があるという点です」と Matsuri は言います。例えば、濃厚、滑らか、そしてクリーミーな食感はアジアで人気ですが、ヨーロッパの消費者は自然で加工度の少ない食感を好みます。アメリカではまた傾向が異なり、甘くて濃厚な食感が好まれます」

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当社プロダクトディベロップメントセンターの食品技術スペシャリストと協業することで、幅広い製品のアイディア創出、開発、調整、テストの実施が可能です。新製品をローンチする前に必要なインサイトがすべて揃っています。テトラパックでは徹底した研究の結果、どの製品がどの消費者グループを惹きつけるのか、どのような目的を持って口当たりを決めるのか、どの安定剤や重合調整剤を使って理想の口当たりを実現するのか、おおよその検討がついています。私たちは、複数のタンパク質を扱う時の課題や、タンパク質ベースの飲料を開発する時に注意点を理解しています。

 

好みの口当たりは主観的です。フレーバー、機能、期待の絶妙なバランスを取り期待に応えるようお客様をサポートすることは、当社にとってはやりがいのある挑戦です。今からはじめて次のステップへ。

ヨガをしている人

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1. Agorastos, G., van Halsema, E., Bast, A. & Klosse, P. (2020) ‘Review of Mouthfeel Classification: A New Perspective of Food Perception’, Journal of Food Science & Nutrition. Available at: https://www.researchgate.net/publication/344016341_Review_of_Mouthfeel_Classification_A_New_Perspective_of_Food_Perception(アクセス日:2025 年 8 月 26 日) 

2. Rao, S., Lucey, J.A. & Drake, M.A. (2022) ‘Invited review: Shelf-stable dairy protein beverages—Scientific and technological aspects’, Journal of Dairy Science, 105(12), pp. 10350–10366. Available at: https://www.researchgate.net/publication/364182149_Invited_review_Shelf-stable_dairy_protein_beverages-Scientific_and_technological_aspects(アクセス日:2025 年 8 月 26 日)

3. Agorastos, G., van Halsema, E., Bast, A. & Klosse, P. (2023) ‘On the importance of saliva in mouthfeel sensations’, International Journal of Gastronomy and Food Science, 32, 100667. Available at: https://doi.org/10.1016/j.ijgfs.2023.100667(アクセス日:2025 年 8 月 26 日)

4. Brown, F., Soltanahmadi, S., Mackie, A.R., He, Q., Pfeifer, J. & Sarkar, A. (2025) ‘Comparing frictional behaviour of plant and dairy proteins: Case study on high protein concentration’, Food Research International, 209, article no. 116322. Available at: https://doi.org/10.1016/j.foodres.2025.116322(アクセス日:2025 年 8 月 26 日)

5. Zhang, M.T., Jo, Y., Lopetcharat, K. & Drake, M.A. (2020) ‘Comparison of a central location test versus a home usage test for consumer perception of ready‑to‑mix whey protein beverages’, Journal of Dairy Science, 103(4), pp. 3107–3124. Available at: https://www.journalofdairyscience.org/article/S0022-0302(20)30116-8/fulltext(アクセス日:2025 年 8 月 26 日)

6. Vogel III, K.G. et al. (2021) ‘Effects of milk protein concentration and type on sensory and viscosity properties of ready‑to‑drink protein beverages’, Journal of Dairy Science. Available at: https://www.journalofdairyscience.org/article/S0022-0302%2821%2900761-X/fulltext(アクセス日:2025 年 8 月 26 日)

7. Hertzler, S.R., Lieblein-Boff, J.C., Weiler, M. and Allgeier, C., 2020. Plant proteins: Assessing their nutritional quality and effects on health and physical function. Nutrients, 12(12), p.3704. [オンライン] Available at: https://doi.org/10.3390/nu12123704(アクセス日:2025 年 7 月 30 日)

8. American Dairy Products Institute (ADPI)(日付なし)Whey Protein Isolate (WPI) Ingredient Profile. Available at: https://adpi.org/the-powerful-list-of-dairy-ingredients/wpi-whey-protein-isolate/(アクセス日:2025 年 7 月 30 日)