食品・飲料業界では、ひっそりと大きな革命が起こっています。インフレ、労働力不足、持続可能性への需要、世界各地でのサプライチェーンの複雑さが増す中、メーカーはより効率的、予測可能、持続可能な操業方法を模索しています。こういった課題の中で、長期的な真の価値創出を可能にする変化「サービタイゼーション」が注目を集めています。

サービタイゼーションは、単一製品の販売から包括的な成果の提供への転換です。サービタイゼーションはサプライチェーンにおける関係を取引ベンダーとクライアント間のやり取りとしてではなく、共通のリスク、共通の目標、保証された結果に基づいて構築された協力的なパートナーシップとして再定義します。

これは、テトラパックとお客様間の提携方法を再構築し、ソリューションの提供から長期的な変革の実現へと進化させています。この戦略的アプローチは、テトラパック® アドバンスド契約、およびこの契約がお客様に提供する価値を支えています。

業界を形成する 5 つの圧力

テトラパックのグローバル食品加工処理サービス & サービスソリューション担当上級副社長の Sasha Ilyukhin によると、食品・飲料メーカーにとって常に最優先課題となる課題が 5 つあり、それらの唯一の解決策がサービタイゼーションだということです。まず、経済的な圧力があります。「インフレからコストの変動性、新しい関税、世界貿易の変革まで、メーカーはバリューチェーン全体で激しい価格圧力に直面しています」と Ilyukhin は言っています。「そのため、アセット活用の効率化や総所有コスト(Total Cost of Ownership)が重要な要素となっています」

次に、脱グローバリゼーションと VUCA 要素すなわち Volatility (変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)があります。「物流の混乱、不安定な地政学、規制の分裂化が、その地域に合わせた回復力のある操業の必要性をメーカーに押し付けています」と彼は言います。持続可能性の課題は、消費者とメーカーにとっても依然として重要です。調達先や店舗だけでなく生産工程全体を通じて、食品廃棄物、水使用量、エネルギー消費はこれまでになく厳しい監視下におかれています。次に、労働問題デジタル化の課題が続きます。

高い離職率とスキルの高い従業員減少により、操業は継続性を失い、トレーニングの負担が増大しています。テクノロジーとデジタルソリューションが有望な一方で、その価値を引き出すには、スマートシステムの設置以上の対策、すなわち統合、データ、文化的な連携が必要です。サービタイゼーションの観点から見ると、こういった課題はプラスに働く機会にもなると Ilyukhin は指摘しています。「操業上の課題を差別化と競争上の優位性への道筋ととらえると、サービタイゼーションはメーカーが単に適応するだけでなく成長することを可能にします」

従来の販売から成果の提供へ:サービスの新時代?

サービタイゼーションとは、従来の製品販売モデルを超えて、成果重視のモデルへと移行することです。つまり、装置や単独サービスの販売から、問題解決、機会の実現、長期的なパフォーマンスパートナーシップへのコミットメントへの移行を意味します。このパラダイムの変化は多くの業界ですでに進行中で、食品・飲料セクターにもこの変化が起こりつつあります。

「サービタイゼーションは、企業間で真のパートナーシップを構築するのに貢献します。ずっと多くのリスクを負い、顧客の事業に深く関与することになります」と Ilyukhin は言います。「顧客の成功と将来の目標に投資することになります。これは長期的に関与し続けることを意味します」

このダイナミックな変化は、より統合された働き方を生み出します。アップタイムとメンテナンスだけでなく、廃棄物削減、コスト削減、エネルギー効率、さらには生産能力の成長といったより広範な成果にも責任を負うことを意味します。その結果は、テトラパック® アドバンスド契約などのサービタイゼーションソリューションに頻繁に組み込まれています。この契約は、測定可能な KPI とリスク報酬モデルを通じて、説明責任を共有し、結果が保証されるよう構成されています。

その結果はどうだったしょうか。データ、信頼、お客様固有の優先事項と目標が一致した継続的なコラボレーションへと、短期的な取引から移行することを意味します。

まずは聞くこと:真の価値の特定・提供方法

従来のモデルとは異なり、サービタイゼーションは聞くことから始まります。しっかりと聞くこと。「お客様は、自社にとって何が重要か、何を達成したいかを知っています」と Ilyukhin は言います。「私たちの仕事は、お客様が機会を実現できるよう、重要なあらゆる課題に対処できるよう、サポートすることです」 お客様と密接に連携することは、強力なコラボレーションツールを通じて機会と課題を探索し、優先順位を付け、隠れた損失と非効率性を特定し、それらをビジネス用語で定量化することを意味します。

「これは戦略的レベルと運用レベルの両方で機能します」と Ilyukhin は説明します。「水の使いすぎ、エネルギー廃棄物、これまで調査されずにいた品質問題など、お客様が気づかずにいた機会を発見することがよくあります」 さらに従来のモデルよりも契約期間が長いため、サービタイゼーションによって優先順位付けが可能になります。これは、Ilyukhin が戦略的重要性、価値、必要な能力とタイミング、と定義づけるものです。「1 年目にすべてに対処することは不可能です。そのため、短期、中期、長期で検討する必要があります」

ベンチマーキングは、サービタイゼーションにおいても重要な役割を果たします。世界中で何千もの契約を結んでいるテトラパックは、匿名化されたパフォーマンスデータを活用して、お客様の同業他社や他の業界との比較を可能にします。「お客様にとっての一番の敵は現状維持です」と Ilyukhin は言います。「お客様自身はパフォーマンスは好調だと思っているにも関わらず、他の類似プラントの設備総合効率(Overall Equipment Effectiveness)の方が 10 ~ 15% 優れているという場合があります。そのインサイトが、有意義な対話や行動を導きます」

成功は単なる約束ではなく、測定、共有、保証を意味します

サービス契約によって内容は異なりますが、成功の原則は一貫しています。すべてのサービス契約の成功の基盤は整合性です。目標とその測定方法は、両当事者が合意するものである必要があります。つまり、お客様の視点を取り入れ、パフォーマンスの評価基準を理解し、お客様にとって重要な指標に合わせるということです」 「お客様の方法で、成功を測定する必要があります」と Ilyukhin は言います。

第二に、コミットメントには真の説明責任が伴わなければいけません。テトラパックの場合、単に価値を約束するだけでなく、リスクと報酬のメカニズムを意味します。合意された目標が達成されない場合、財務的な結果が伴います。テトラパックのサービス契約に関して、「約束するだけでなく、コミットし、実現する」と Ilyukhin は言います。「これが、競合他社との大きな違いです」

第三に、これらの合意は人間関係の上に築かれなければなりません。信頼こそが真の切り札です。信頼関係なしに、お客様がシステムを公開し、意義ある変化のために必要な操業上のインサイトを共有することはあり得ません。そのため、現地チーム、文化的適合性、長期的なコラボレーションに多額の投資を行い、お客様側の担当者に伴走しながら時間をかけて改善を推し進めます。「これは本当に大切なことです。サービタイゼーションを動かすのは、プラットフォームではなく、人です」と彼は補足します。

サービスの将来はここにあり、それは能力を提供すること

この数年で証明されたものがあるとすれば、それは混乱が続くということでしょう。ですが、イノベーションも同様です。そして、サービタイゼーションは、食品・飲料業界における回復力、拡張性、持続可能な成長のための最も有望な手段の 1 つであることが証明されています。

未来を見据えると、この働き方はさらなる進化を遂げことになるでしょう。次のフロンティアはすでに存在しています。デジタルイネーブルメントは進化を続け、AI、機械学習、予測システムが提供されるソリューションの中に統合されていくでしょう。しかしさらに重要なのは、Capacity as a Service モデルのような、新しいビジネスモデルが生まれつつあることです。

この契約では、お客様は装置やアフターサービスを購入しません。お客様が購入するのは、保証されたアウトプットです。装置、維持、アップグレード、トレーニング、サイバーセキュリティなど、すべてがお客様の生産量によって変動する単一のユニット毎料金に集約されます。これは、結果重視のサービタイゼーションの精神と完璧に合致する、抜本的に簡素化されたビジネス手法です。

真のリスクは? 何もしないでいること

もちろん、この移行には障壁が伴わないわけではありません。「信頼は依然として最も一般的な障壁です」と Ilyukhin は言います。そして、これは特にデータ共有と戦略的整合性に関して言えることであると指摘します。KPI を取り巻く曖昧さ、成功の定義の違い、厳密な契約構造も、進歩を妨げる可能性があります。

企業は、社内において官僚制度的な障害、従業員が抱える疑念、アドバンスド契約が価値を十分に発揮するためのデジタルインフラストラクチャの欠如に直面する可能性があります。そのため、プルーフポイントアプローチが、効果的に信頼を築き、勢いを高める第一歩です。これは、特定のラインや改善目標から開始するアプローチです。先行投資も障壁となり得ます。そのためテトラパックは、お客様と連係して金銭的負担を緩和し、時間に伴いコスト負担を分散する契約を策定します。

では、サービタイゼーションの概念に興味を持ち始めた企業に、Ilyukhin はどのようなアドバイスをしているのでしょうか。「小さく、賢く、信頼できるパートナーから開始することです」と彼は言います。「まずパイロットのような管理可能なもので始めます。このアプローチの価値を証明する、意義あるプロジェクトを実施した後にスケールアップを図ります。そして、成功だけでなく、具体的な目標と課題を理解することにコミットするパートナーを見つけることです」

また、この取り組みが現場のみで完結するものでなく、企業戦略と一致し、シニアリーダー陣によって支持されていることも極めて重要です。「体系的な方法で操業の改善が図れる戦略があること、またその戦略が企業戦略に基づいていることが重要です」と彼は付け加えます。

業界は不確実性と変化の新時代に適応しています。言い換えると、サービスを再考する人が、成功を手にすることになるでしょう。ですが、究極的には、サービタイゼーションは契約やサービスに関するものではありません。サービタイゼーションは、成果、パートナーシップ、長期的な成功の共有です。世界がますます複雑になる中、サービタイゼーションは、食品・飲料メーカーに、希少で価値ある提案をもたらします「明瞭さ、予測可能性、パフォーマンスを約束するのではなく、これらにコミットすること。それによって違いが生まれます」と Ilyukhin は言います。「それが未来です」

Sasha Ilyukhin

テトラパック、グローバル食品加工処理サービス & サービスソリューション担当上級副社長の Sasha Ilyukhin

 

テトラパックのグローバルシニアリーダーシップチームのメンバーである Ilyukhin は、世界中の食品加工処理サービスおよび長期サービス契約における、持続可能で収益性の高い成長の実現に向けて取り組んでいます。この役割において、Ilyukhin と彼のチームは、お客様事業の回復力、生産性、持続可能性、人間中心主義に焦点を当てた結果ベースのソリューションを策定、展開、発展することで、サービスビジネスモデルに変革を起こしています。Ilyukhin はまた、テトラパック・グループの戦略開発と組織変革を担う複数のグローバル運営委員会のメンバーでもあります。

グローバル食品加工処理サービス&サービスソリューション担当上級副社長の Sasha Ilyukhin
テトラパックプラントケアのロゴ

予測可能なコストと信頼できるパフォーマンスのためのプロアクティブなメンテナンス

予測可能な固定コストでプロアクティブなメンテナンスを行うことで、機器のパフォーマンス、信頼性、アップタイムに利便性、予測可能性、安心感を提供します。
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お客様選定の重点分野での性能改善を保証

お客様の目的が品質の向上、生産量の増加、持続可能性の向上のいずれかを問わず、お客様のビジネスにとって最も重要な分野で、パフォーマンスの向上を保証します。
テトラパックプラントセキュアのロゴ

コストと性能保証によるプラント全体の最適化

プラント全体のパフォーマンスを最適化し、最小限のコストで最大限の製造効率を実現し、生産に変革を起こすエキスパートパートナーシップ。

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