循環型経済では、メーカーは、廃棄物の計画的な削減や資源を再利用およびリサイクルし、自然と融和できるシステムを再構築して産業による環境への影響を低減します。これは今日の説得力のある考え方で、持続可能性の重要な部分です。ただし、これだけではありません。
低炭素・循環型経済では、原材料と製造バリューチェーンの気候変動への影響も考慮します。化石原料とは異なり、植物由来の再生可能な原材料は、その量が増加し再利用されたりリサイクルされたりするにつれ、排出される二酸化炭素排出量を削減できます。たとえば、ヨーロッパでは、森林と森林ベースのバイオ経済により現在のCO2排出量の25%が削減できると推定されています。1
さらに、低炭素・循環型経済では、バリューチェーン全体が気候変動への影響を最小限に抑えるように最適化されます。つまり、経済は、再生可能エネルギーの活用、高い効率を誇る製造プロセス、燃料使用量を削減する物流により回りします。
テトラパックでは、バリューチェーン全体で気候変動への影響を最小限に抑制できる、二酸化炭素の排出量が少ない循環型経済の実現に真剣に取り組んでいます。
木材やサトウキビなどの植物由来の原料は、低炭素・循環型経済のアプローチで最も重要な要素です。これらは、大切な環境を次の世代に残すために役立ちます。木材などの再生可能な資源は、ある程度の年月が必要であるものの、自らの力で再生する能力があります。そのため、その他の限りある資源や原材料に依存する割合を削減できます。また、持続可能な森林管理の促進は、生物多様性を保護します。現在、テトラパックの紙容器の包材には、平均71%の再生可能な資源を使用しています。テトラパックでは、長期計画としてすべての紙容器を100%再生可能資源で製造することを目指しています。
廃棄物を削減し資源をより長く使用し続けることを目的とする低炭素・循環型経済の中心は、リサイクルです。テトラパックの紙容器はすべてリサイクル可能で、さまざまな新しい製品に再加工することができます。テトラパックでは、その容器が提供されているすべての場所でリサイクルバリューチェーンの向上に取り組んでいます。欧州プラスチック戦略に参加する企業として、テトラパックは、業界のパートナーと協働して、2030年までに欧州内の飲料用紙容器のすべての構成要素にリサイクルソリューションを導入する決意です。私たちは、紙工場およびプラスチックリサイクル業者と協力して、回収された使用済み飲料用紙容器のすべての構成要素をリサイクルできるよう取り組んでいます。1 メーカーとして、テトラパックは、2030年までに、欧州連合で90%の回収率と70%の有効リサイクル率を達成するという目標を掲げています。2021年、120万トンの紙容器が回収されリサイクル業者に送られました。
低炭素・循環型経済は、化石燃料に頼らない再生可能エネルギーと非常に効率的な運用に依存しています。テトラパックは、RE100に従って2030年までにその全事業を通して100%の再生可能な電力を調達し、操業上の温室効果ガス排出量を同一稼働時間比で42%削減します。
科学の知見に基づく目標と再生可能エネルギーを使用した、テトラパックの排出量削減方法について読む
国連食糧農業機関(FAO)によると、食品廃棄物は温室効果ガス排出量の8%を占め、ビジネスの財務コストの莫大な損失を生んでいます。低炭素・循環型経済では、これを最小限に抑制することが求められます。テトラパックは、食品を安全でいつでもどこでも入手できることを目標に設立されました。テトラパックの紙容器と加工処理装置はいずれも、食品と飲料の無駄を最小限に抑えるように設計されています。
飲食物の輸送では常に二酸化炭素が排出されますが、革新的な紙容器で削減することができます。テトラ・リカルト®紙容器なら、食品を長方形の軽量紙容器に充填でき、トラック1台あたり10〜20%多く容器を輸送できます。さらに、気候変動への全体的な影響はスチールやガラスよりも5倍低いことが示されています。
「2世紀を経てスマートになった缶詰」がどのように食品用の包装と輸送システムを変えるかについて学びましょう。
1出典:EC:JRC Science for Policy Report発行『バイオエコノミーレポート 2016』(PDF)
循環型経済のウェブセミナー
循環型経済のウェブセミナー