食品・飲料メーカーにとって、CIP洗浄用化学物質の管理方法は、効率の達成を左右し、競争力の維持に貢献し、ビジネスの課題に備えるための基盤となります。逆浸透(RO)とナノフィルトレーション(NF)は新しい技術ではありませんが、ここ数十年間で大きく進化し、パフォーマンスの向上と新たな可能性をもたらしています。

膜処理および逆浸透技術を採用する主な要因を知り、実践的な知見を得て、CIP 化学物質と水をより効率的に管理するための実証済みの手法を発見してください。従来、これらの技術を採用してこなかった飲料カテゴリーにも新たなチャンスが生まれています。

水と CIP 洗浄の化学物質の使用量削減の主な推進要因 

水と CIP 洗浄の化学物質は、どの食品・飲料メーカーにとっても不可欠な資源です。これらの資源の使用量を削減することには、コスト削減、収益源の改善・多様化、エネルギー消費量の低減など、多くの経済的メリットがあります。これらは事業の持続的成功に不可欠な要素であり、本記事の後半でさらに詳しく探求します。しかし、顕著ではなくても考慮すべき推進要因も存在します。その 1 つが、世界的に高まる水不足への懸念です。 

淡水資源への負担は増大しています1。歴史的に水不足を経験してきた地域では、この問題に対する認識が高く、資源効率の高い新技術の採用も迅速に進んでいます。 

テトラパック、Nicole Uvenbeck

「例えば、アラビア地域のメーカーは水の希少性を強く認識しています。この地域のメーカーは、かなり以前から大規模な海水淡水化を利用してきました」と、工場の持続可能なソリューションおよび OEM コンポーネント担当ディレクターの Nicole Uvenbeck は言います。 

「しかし、ヨーロッパや北米などの他の地域では、水は比較的安価で豊富であるため、最近までインセンティブが十分に機能していませんでした。」

少数の地域では、淡水供給への圧力が高まった結果、操業における水の使用コストが大幅に上昇しています。こうした地域では、コスト削減が節水技術への投資を促す主な要因となっています。

現在、ほとんどの地域では、水規制が強化された結果、これらの技術が多くのメーカーで採用されています。 

メーカーが水と CIP の化学物質の節約ソリューションを採用するもう 1 つの原動力は、世論です。資源管理は、消費者の関心が高まる重大な懸念事項であり続けています。

「企業は、コンプライアンス、収益性、ブランドイメージにとって不可欠であると認識しているため、こうした外部要因を取り込んでいます」と、Uvenbeck は述べています。

「これは、持続可能性に関するポジショニング戦略、業績目標、消費者への約束(製品 1 リットルあたりの特定の水使用量を約束するなど)に反映されています。」

今日、水の使用に関する規制の複雑さは、食品・飲料メーカーにとって大きな障壁となっています。世界中の立法者が淡水とそれに依存するコミュニティを保護するために迅速に動いており、それはメーカーが対応すべき規則の増加を意味します2,3。その結果、規制の強化とコンプライアンス環境全体の複雑化が進んでいます。

「まさにジャングルのような状況です」と、Uvenbeck は言います。「指令は地域によって大きく異なり、品質や使用量に関する要件は加工工程に応じて変化します。特定の工程後に再利用可能な水と不可能な水も区別されます。」

幸いなことに、食品・飲料メーカーにとっての救済策が近い将来に実現する見込みです。Uvenbeck を始めとする専門家は、立法機関が連携しベストプラクティスを採用するにつれ、今後数年間で規制の複雑さが緩和されると予測しています。 

水の中立性という概念は、学術界、非営利団体、さらには企業の間でも注目を集めています。カーボンニュートラルの原則と共通点はあるものの、水の特性上、取り組みはより地域密着型である必要があります。 

「CO2 とは異なり、世界の特定の地域で節水した水を貯蔵し、別の地域での水使用量のクレジットとして計上することはできません」と、Uvenbeck は説明します。

また、Uvenbeck は「ある自治体で水を汲み上げた場合、その水は同じ自治体に還元しなければなりません」とも述べています。

この特有の制約によって、企業が特定地域での節水イニシアチブやプロジェクトを支援することで水の使用を相殺するクレジット制度などの革新的なソリューションを生まれています。 

「こうしたアイデアやその他の水利用のトレンドが勢いを増して立法に影響を与えるかどうかを正確に予測することはできません」と、Uvenbeck は言います。「しかし私たちはこれらの動きを注視しており、ウォーター・スチュワードシップの改善に向けた創意工夫と取り組みから大きなインスピレーションを受けています。」

逆浸透とナノフィルトレーションの用途

逆浸透と NF は、数十年にわたり水と化学物質の使用量削減に役立ってきました。いずれも膜処理技術の一種であり、1970 年代初頭に乳業界に初めて採用されました4。膜とそのエレメント自体の性能と耐久性は絶えず向上を続けています。現在の製品はより信頼性が高く効率的であり、幅広い用途に適しています。 

乳製品から100%果汁、そして多様な飲料用途に至るまで、逆浸透と NF は生産の全体で未開拓の効率を引き出します。適切なソリューションの選択は、お客様のプロセスと内外の要件を理解することから始まります。 

テトラパック、水質スペシャリスト、Carsten Vigen Hansen

「最適なろ過ソリューションを提案する前に、オペレーターや利害関係者と対話して、具体的なニーズを把握することが不可欠です」と、水質スペシャリストの Carsten Vigen Hansen は述べています。

「テトラパックは、水中のミネラルや化合物に関する幅広い知識を活用して適切なソリューションを開発し、乳製品や飲料の生産現場でのパイロット試験を実施してパフォーマンスを検証しています。」

責任ある資源管理のための実績のあるソリューション

食品・飲料生産における水と CIP 洗浄の化学物質に関する議論は、コスト削減に留まるものではありません。長期的な回復力、規制コンプライアンス、そして進化する消費者の期待を考慮した包括的な対話なのです。 

逆浸透と NF 技術は実証済みで実用的なソリューションであり、お客様の業務に多面的なメリットをもたらします。 

「お客様ごとに状況は大きく異なります。対象となる規制、製造する製品、扱う量など、それぞれが独自のケースです」と、Hansen は言います。「しかし、逆浸透と NF 技術が導入されていないすべてのシナリオにおいては、これらの技術を導入することで操業効率が向上します。」

ウォーター・スチュワードシップに対する世界的な関心が高まる中、このような資源節約型の産業ソリューションの価値は今後も上昇し続けるでしょう。 

逆浸透および NF ソリューションが、どのようにリソースを節約し、生産の効率向上の機会を明らかにすることができるかについて、詳細をお知りになりたいですか? お問い合わせください。

メンブレンエレメント、メンブレンフィルトレーション

逆浸透(RO)

水を除去することで溶液を濃縮する技術

メンブレンエレメント、メンブレンフィルトレーション

ナノ膜処理(NF)

ナトリウムや塩化物などの一価イオンの一部を除去することで有機成分を濃縮する技術(部分脱塩)

乳業では逆浸透や NF 技術が長年にわたり活用されてきましたが、他の食品・飲料分野ではその潜在的な利点が十分に認知されていません。例えば、事業の特性上、炭酸飲料メーカーには節水型フィルトレーションの大きなメリットがあります。このようなメーカーは多数の最小管理単位(SKU)を扱うため、製品切り替え時の生産ライン洗浄が頻繁に必要となるからです。

「SKU 切替の際のすすぎ工程では大量の水を消費します」と Uvenbeck は言います。「このセグメントの多くのメーカーは、逆浸透ソリューションによる節水の可能性を発見し始めたばかりです。テトラパックの取り組みの一環として、生産ライン内に眠る価値に関する情報を伝え、知識を共有しています。」
 

乳製品セグメントにおける膜処理による回収の可能性
液体乳製品加工処理における白水回収
チーズ製造における水とホエーの回収
全乳粉などの粉末の蒸発・乾燥における水の回収と苛性洗剤の回収。
超高温殺菌(UHT)の CIP 洗浄における苛性洗剤回収(1 サイクルあたり毎時 15,000 リットルの超高温殺菌を 5 回以上、かつ苛性液を 1 日あたり最低 20,000 リットル使用する場合に最大の投資回収効果が得られます)。
飲料セグメントにおける膜処理による回収の可能性
ジュースおよび炭酸飲料メーカーの水回収(用途に応じて異なる膜を使用可能)。

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Mammen Mejerierne の事例

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北欧の老舗チーズメーカーである Mammen Mejerierne 社は、逆浸透ソリューションを導入して白水の処理効率を向上させました。白水の 75% は水として回収され、洗浄水として再利用されることで、全体の操業用水の使用量が削減されます。残りの 25% は濃縮ホエーになります5。以前は飲料メーカーにホエーを販売していましたが、濃度が低かったため多くの輸送資源が必要でした。輸送量が削減できたことで、この副産物の収益性が向上しました。

Mammen Mejerierne 社の資源節約効果

輸送用ディーゼル燃料 150 トン削減5

1日あたりの水使用量 143 トン削減5

白水の 1/4 を濃縮ホエーとして回収5

CIP洗浄ソリューションで苛性液の処理にNFフィルターを使用することで、苛性液・エネルギー・水の必要量を削減できます。 

苛性液は効果を発揮するために特定の温度まで加熱する必要があるため、エネルギー節約が実現できます。回収してシステム内に保持することで熱が保持され、再加熱に必要なエネルギーが削減されます。

NF フィルターは使用済み苛性液の約 90% を回収できます5。これにより、その後の洗浄サイクルで新たな苛性液と水の必要量が最小限に抑えられます。

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デイリーゴールドの事例

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アイルランドのデイリーゴールドは年間 14 億リットルの生産量を誇り、現在 CIP 回収に NF を活用しています。これにより蒸発器の洗浄に使用する苛性液の最大 90% が回収されます。CIP 回収に NF ソリューションを導入する前は、毎日 30,000 リットルの苛性廃水を排出していました。現在では、その排出量はわずか 10% にまで削減されています。

デイリーゴールドでは、苛性ソーダの使用量と廃水の削減に加え、廃水を排出する前にpHを調整するために添加していた中和剤の量も削減できています。 

「この潜在的な節約効果は、お客様の操業に適用可能な場合、見過ごすべきではありません」と、Vigen Hansen は言います。「その価値は、苛性ソーダの節約効果とほぼ同等なのですから。」 

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節約シナリオ

CIP 回収に NF ソリューションを導入することにより、同様のプロセスを採用する乳製品メーカーでは、稼働日あたり 46,776.16 ユーロの節約が見込まれます。この数値は、2025 年の水道料金、苛性ソーダ、中和剤の市場価格に基づき、苛性ソーダ液を 1 日あたり 30,000 リットル使用することを前提として算出しています。計算には、水(1.66 ユーロ/リットル)、苛性ソーダ(0.43 ユーロ/kg)、中和剤(0.36 ユーロ/kg)の価格が使用されています。

1. 「指標 6.4.2 水ストレスレベルの経時推移:総淡水量に占める淡水取水量」、国連水関連機関調整委員会、https://www.sdg6data.org
2. 「欧州議会議員、水の回復力強化に向けたEUのより大胆な行動を要請」、欧州議会ニュース、2025 年 5 月 7 日
3. 「国連気候サミットで焦点となった水の 重要性について」国連環境計画、2024 年 10 月 21 日
4.   テトラパック 「デイリープロセシングハンドブック」、2025 年
5.   「リソースを節約する膜処理ソリューション」、テトラパック、グローバルソース:https://www.tetrapak.com/ja-jp/insights/cases-articles/resource-saving-filtration-solutions