コールドミルクの分離処理が再び話題になっている理由
温かい牛乳でも冷たい牛乳でも分離できます。2 つの中ではホットミルク分離がより一般的ですが、コールドアプローチは世界の一部の地域で長い間人気がありました。65 年以上にわたり牛乳の低温分離に密閉型の分離機を使用してきたテトラパックほど、低温分離の伝統が深く根付いている企業はありません。
牛乳をクリームと脱脂乳に分離することは、乳製品の基本的なプロセスです。分離された脱脂乳、すなわち、標準化された牛乳やクリームは、牛乳からチーズ、粉ミルク、ヨーグルトまでほとんどの乳製品の基本的な成分になります。
ホットミルクの分離は、約 50℃の温度で処理され、コールドミルクの分離は、通常 10℃以下で処理されます。ホットミルクはコールドミルクよりも粘性が低いため、セパレーターをより速く通過することができ生産量を増やすことができます。これが、この方法が乳業メーカーに好まれる理由です。ホットミルクに使用される分離機は通常、牛乳の低温殺菌装置に統合され、クリームの分離、インラインでの脂肪含有量の標準化、および 1 つの加工処理ユニットでの低温殺菌を可能にします。
それでもなお、コールドミルクの分離には他のメリットがあります。たとえば、低温による汚れを回避して、より長い時間製造することができます。また、高温に耐えることができる好熱性バクテリアの繁殖を制御できる可能性があります。
ホットミルクの分離とは異なり、コールドミルクの分離は低温での独立した処理ステップで、多くの場合、インラインの脂肪含有量の標準化と組み合わされています。いずれにせよ、スキムミルクとクリームの処理は通常、製造ラインの後の段階で低温殺菌または適切な熱処理を行う必要があります。
65 年以上にわたる知識
この分野におけるテトラパックの専門知識は、1953 年にコールドミルクの分離に密閉型分離機を使用し始めたときまでさかのぼります。密閉型（または気密式）分離機は、分離プロセス中の空気の侵入を防止します。
空気の混入を回避しながら、低温で高濃度のクリームを取り扱うことができるのは密閉型の設計だけです。他の設計の分離機では、空気が侵入するため、分離機内でチャーニングが発生し、クリームの品質に影響を与えるリスクがあります。実際、密閉されていない分離機では、10°C未満で真の低温分離を達成することはできません。
「コールドで分離する場合は密閉型分離機が必要です。これはテトラパックが専門とする分野です。」と述べるのは米国とカナダのテトラパックで遠心分離機のプロダクトマネージャーを務める Keith Ortman です。
「準開放式の分離機を使用してコールドによる分離処理をすると、冷たいクリームに空気が混入して脂肪が攪拌され目詰まりの原因になります。これは即座にバターをポンプでくみ上げるような状態になります。」
脱脂効率の課題
通常の 10℃以下の温度でコールドによる分離処理をすると、高い脱脂効率が達成できない場合もあります、と述べるのはテトラパックの上級乳製品専門家、Andrzej Holanowski です。それにもかかわらず、これは可能です。
「準開放式分離機では、温度を 15 ～ 20℃まで上げる必要があります。これにより処理量を増やすことができるかもしれませんが、加熱と冷却が必要になります。ぬるま湯状態クリームが最も脆弱な状態になる可能性があり、せん断による損傷の可能性もあります。
「テトラパックは、コールドミルクの分離機の設置で 10℃以下の稼働を考えています。というのもテトラパックの気密型の設計と特殊な機械構造によって、この温度で優れた脱脂効率が達成できるからです。」
多くの市場では伝統的にホットミルクによる分離が好まれていますが、一部の地域ではコールドによる分離が長い間好まれてきました。北アメリカ、中央アメリカ、ニュージーランド、オーストラリアなど、その理由は組織的、技術的とさまざまです。
その理由は何でしょうか？またコールドミルクによる分離はどのような製造上のメリットがあるのでしょうか？特に粉末やチーズを製造するメーカーにとって、利点の 1 つは、低温分離により好熱性バクテリアの繁殖を制御できることです。
「お客様は、品質要件を満たすために粉乳に含まれるこれらのバクテリアをできるだけ少なくすることを求めています。」と Keith Ortman は述べています。「そして、粉ミルクを使用して乳児用粉ミルクを製造する場合は、最高の品質を実現しなければなりません。大規模メーカーの中では、コールドミルクによる分離が微生物学的な品質改善の方法であると考えていることもあります。」
乳児用粉ミルクの製造では厳しい規制が適用されます。規制が厳しくなるにつれ、微生物学的品質の議論が活発になり、コールドミルクによる分離に有利に働く可能性があります。
一部に好まれるコールド
Ortman は、北米でコールドミルクによる分離の需要が増加していると見ています。北米では、胞子含有が低い粉乳というトレンドが、メーカーに牛乳の温度を低く保つことができるコールドミルクの分離器の使用を促しています。
コールドによる分離は、主要な分野における運用コストも節約することができます。それは、洗浄の分野です。通常、冷たい分離ラインは 1 日に 1 回洗浄する必要がありますが、温かい分離ラインでは、湿った部分が高温により汚れるため、より頻繁に洗浄する必要があります。
洗浄による製造のダウンタイムは、時間もコストも必要です。ただし、どのラインでも、洗浄は製品の特性と衛生要件によって必要になることを重視しなければなりません。
コールドミルクによる分離には、また、いくつかの課題があります。温度に依存しますが、ホットミルクの分離と比較し分離効率が若干低くなる場合があります。また、コールドミルク用の分離機は、ホットミルクで動作する同等の分離機より処理量が少なくなります。
また、4℃で脂肪含有量が最大 40% のクリームの場合、若干温度が上昇します。一方、コールドで分離された牛乳は、脂肪の結晶化や分散空気含有量などのプロセス条件の変化に敏感で、特に、インラインの脂肪標準化ユニットでの混合ではこの傾向が顕著になります。
コールドによる分離をいつ選択したらよいでしょうか？
では、乳製品メーカーはいつ、どのように、コールドミルクとホットミルクの分離を選択する必要があるでしょうか？Tetra Pak Oceania のキーコンポーネントセールスエンジニア、Simon Beazleigh は、その答えはプロセス次第だと述べています。
「お客様は、耐用年数に到達した古い分離機の交換に直面することがよくあります。これらの装置の耐用年数は通常30 年で、ホットミルク用に設計されています。」と彼は述べています。
「私たちは常にお客様と一緒に、ホットミルクを続けるべきか、コールドミルクに変えるべきかを判断しています。これは常にお客様の状況に依存します。その部分が私たちの経験の出番です。」
Simon は次のように付け加えています。「ホットミルクをサポートするインフラストラクチャが整備されている場合は、引き続きホットミルクを使用することをお勧めしています。お客様がプロセスを見直せる場合は、製造される最終製品にもよりますが、コールドミルクが適している場合があります。」
新しいプラントの設置とアップグレードの場合、メーカーには基本的に 2 つの選択肢があります。前処理用にインラインによる脂肪標準化と低温殺菌を組み合わせたホットミルクによる分離です。このアプリケーションは、すべての乳製品で機能します。
あるいは、前処理用にインラインまたはバッチによる脂肪標準化と組み合わせたコールドミルクによる分離を選択することもできます。このオプションはすべての乳製品で機能し、最終製品の好熱性バクテリアや胞子を減らす方法を粉末およびチーズメーカーに提供します。
最終的に、選択は技術仕様から製品の種類に至るまで、さまざまな要因に依存します。最善の方法は、最適なソリューションを選択するための実践的なサポートを提供できる、テトラパックのようなホットミルクとコールドミルクの分離に精通した専門家に相談することです。
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