​牛乳: 牛乳を加熱処理する方法とその理由

もっとも大切なのは、すべての食品同様に健康と安全です。 乳業界は牛乳を加熱処理することで病気の原因になる病原菌を死滅させます。これにより病気が蔓延することを防止し公衆衛生を守ります。 このプロセスが生まれた 19 世紀は、牛乳が結核とチフスの一般的な感染源でした。 加熱処理によって病原菌だけでなく、腐敗の原因になる細菌も死滅することを発見したのは、フランスの科学者、ルイ・パスツール(1822 ~ 1895)です。 20 世紀半ば以降、人間が消費する牛乳は低温で殺菌することが一般的になりました。 多くの国で、牛乳や乳製品の加熱処理に関する法律が策定され、病原菌から乳製品を守り安全性が確認されています。

健康のために、そしてより長い品質保持期間をもとめて

すべての加熱処理は、食品と飲料の品質保持期間を延長します。 そのために複数の加熱処理の方法で、細菌、胞子、酵母、カビ、ウイルスなどの微生物を死滅させています。 これらの方法は、加熱処理中のもっとも重要な要素である、主に時間と温度の違いによって区別されます。 加熱は、微生物を死滅するほかに、牛乳にふくまれる酵素を不活性化するため、貯蔵中の味わいや外観に悪い影響を及ぼす可能性があります。

品質保持期間とは、食品が安定し消費可能である期間を指します。 食品の品質保持期間の限界に影響を与える安定性についての 4 つの懸念事項があります。 微生物および微生物の成長、酵素反応と変化、食品成分が酸化するなどの化学分解反応、そして、製品内で発生する分離や沈殿などの物理現象です。

牛乳の微生物学的品質保持期間は、生乳に含まれる微生物の数によって決まります。 第二に、選択した保存技術(この場合は加熱)による微生物の減少に対する効果は、容器包装後にどの程度の微生物が生存しているかで決まります。 最後に、微生物の一部が死滅しなかった場合、貯蔵および流通時の温度が微生物の成長と増殖にどのように影響するかです。

生乳の品質 – 最初から高い品質

牛自体が健康である場合は、搾乳された牛乳に事実上バクテリアはいません。 しかし、搾乳中の牛乳は搾乳場の微生物に汚染しやすくなります。 牛乳は微生物が繁殖しやすいため良好な品質の生乳を維持するには、搾乳場と装置を極めて清潔に保つことが重要です。 また、加熱処理される前の生乳はできるだけ早急に冷やし、保冷しなければなりません。 生乳の細菌含有量に関するヨーロッパの基準は、1ml あたり 100,000 コロニー形成単位(CFU)未満です。 バクテリア数の多い牛乳を加工することは可能ですが、結果として品質の低い牛乳になります。

流通チェーン、商業基準での無菌および ESL

現代の大量な乳製品の流通とより多くの時間を必要とする集中型の拡張された流通ネットワークを円滑に維持するために、品質保持期間の長い乳製品が普及しています。 品質保持期間(ESL)が長いチルド流通用の牛乳は、安全性が高く風味を長く保持できるという事実から、小売店や消費者の利用が増加し、流通や家庭での廃棄の削減に役立っています。

常温で貯蔵・出荷される牛乳は、さらに費用対効果の高い流通方法を提供します。 また、チルドの流通が不可能、またはチルドの流通チェーンが開発されていない遠隔地や世界の一部への流通も可能になります。

常温で牛乳を流通できるようにするには、牛乳を商業基準で無菌にする必要があります。これは、一般的な条件では繁殖する微生物を完全に取り除くことを意味します。 滅菌中に死滅させるのがもっとも難しい微生物は胞子です。これは、加熱、蒸発乾燥、凍結、化学薬品、および放射線に対する耐性を持つ胞子の厚い保護外膜のためです。

適切な加熱処理 – 加熱のさまざまな方法

牛乳などの特定の食品に適した加熱処理の種類を決定する場合、品質保持期間の要件と貯蔵と流通中の条件が考慮すべき項目に含まれます。 加工乳の品質保持期間は、加熱処理の時間と温度の両方に依存します。 加熱方法には、主に 低温殺菌、長期保存(ESL)処理、超高温(UHT)処理の 3 つのカテゴリがあります。 テトラパックは、迅速な加熱と冷却、正確に計算された保持時間による連続した加工処理を促進しています。従来のバッチ方式と比較して、牛乳への熱負荷がはるかに低くなります。

加熱は、味、香り、色、そして栄養価に影響を及ぼす可能性があるため、できるだけ加工工程を少なくし、適切な食品の安全性と目標の品質保持期間を達成する必要があります。 一部の製品では加熱処理によって栄養素が劣化する可能性がありますが、連続した加工処理中に牛乳を加熱処理する場合は、これは重要な問題ではありません。

加熱には、間接加熱と直接加熱の 2 つの基本的な原則があります。 間接加熱では、仕切りを使用して製品を加熱(または冷却)媒体から分離し、熱を媒体から製品に伝達して、両者間の直接的な接触を回避します。 間接加熱は、さまざまな種類の熱交換器が使用されます。熱交換器の選択は、製品の物理的特性、流量、実行時間、洗浄要件などのさまざまな要因によって異なります。

  • プレート式熱交換器(PHE)は、主に滑らかで低粘度の液体製品に使用します。
  • チューブ式熱交換器(THE)は、特定の大きさの固形物を含む製品も加工でき、より長い稼働時間が特長です。 固形物の最大サイズは、チューブの直径によって異なります。
  • 掻き取り式熱交換器(SSHE)は、固形物の有無にかかわらず、高粘度の粘性がある塊状の製品の加熱および冷却用に特別に設計されています。

直接加熱は、厳密に制御された条件下で製品を高温の蒸気に直接接触させることで、急速に目標温度に到達させます。 目標温度で一定時間保持した後、真空容器の中で瞬間冷却することにより急激に温度を下げます。 この急速な加熱と冷却により熱負荷が最小限に抑えられ、製品の品質を損ねることがありません。

低温殺菌の基準

牛乳は通常、プレート式熱交換器を使用し 72〜75℃で 15 秒間低温殺菌します。 この温度は、腐敗の原因になる微生物の数を大幅に減らしながら、すべての病原菌を死滅させるのに十分な温度です。 アルカリ性ホスファターゼ試験を実施し結果が院生の場合は、牛乳が十分に低温殺菌され、人間が消費しても安全であることが確認できます。 低温殺菌した牛乳の品質保持期間は、生乳の品質と流通温度によって異なり、ヨーロッパでは平均 7〜10 日間です。

ESL – 品質保持期間を延長する加熱処理

高温で処理する ESL は、腐敗の原因になる冷蔵中に増殖する可能性があるすべての微生物を死滅させます。 高温処理(HTT)では、牛乳を 120〜135℃で 0.5〜4 秒間加熱します。 標準的な ESL 処理は通常、127℃で 2 秒間加熱します。 ヨーロッパでは、高温で処理された牛乳の平均的な品質保持期間は 30 日以上です。

熱負荷は微生物の減少と比例しますが、これは、味わいや色などの感覚的な変化についても同様です。 ESL は、直接加熱・間接加熱の両方で処理されます。 加熱処理に加えて、マイクロフィルトレーションまたは低温殺菌と組み合わせた遠心除菌によって ESL 牛乳を製造することができます。

UHT – 超高温殺菌処理

UHT(超高温殺菌処理)は、常温での貯蔵または輸送のもとで成長・増殖し、製品を汚染する可能性があるすべての微生物を死滅させます。 UHT 処理は、非常に高い温度で短時間処理することによって牛乳を殺菌します。 この処理では、胞子を含むすべての微生物が死滅します。胞子はもっとも耐熱性が高く、根絶されていない場合、包装された牛乳の中で成長し、製品を汚染する可能性があります。

UHT 処理は通常、製品を 137〜142℃で 2〜4 秒間加熱します。一般的に使用される条件は、137℃で 4 秒間です。 冷却後、製品を無菌のパッケージで包装し、商業基準上の無菌を実現します。つまり、常温で数か月間貯蔵できます。 UHT 処理では、目標の品質と操業コストに応じて、直接加熱と間接加熱(前述の説明を参照)の両方を使用します。 操業コストを優先する場合は、プレート式熱交換器またはチューブ式熱交換器による間接加熱で処理します。 蒸気注入または蒸気インフュージョンによる直接加熱では熱負荷が非常に低いため、最小限の味覚の変化と製品の最高品質を保証するために使用されます。

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